ビールのこと

なにはともあれトリアエズビール

『トリアエズビール』は、メーカーが本気で商品化を考えたという話もあるほど、われわれオヤジ世代には馴染んだ言葉です。夏の盛り、仕事を終えて居酒屋で、同僚たちと飲み干す最初の一杯はやはり最高です。生きててよかったぁ~と思う瞬間です。

しかし我々日本人は、長い間ビールといえば1つのスタイル・4銘柄しかないという時代が続きました。「ビールはキリンに限る」という人から、「スーパードライしか飲まない」という人も、同じタイプ(ピルスナー)のビールについての好き嫌いを言っているだけでした。

アメリカで行われるビールの祭典、グレート・アメリカン・ビア・フェスティバルでは、ビア・コンペティションにおいて世界のビールを65のスタイルに分類して審査を行っているそうです。

さらに、日本地ビール協会の『ビアスタイル・ガイドライン』では、いわゆる発泡酒や第三のビールなども含めて、85個ものスタイルに分類しています。色は明るい黄金色のものから真っ黒なものまで、フルーティな香りやこうばしい香りのもの、味も苦い、甘い、酸っぱいものまで、そのスタイルは様々です。

冷やした方が美味しいものから、ぬるめの方が美味しいもの、すっと喉越しがなめらかなものから、どっしりとした飲み応えのあるものまで多岐にわたります。何故これほど多彩なスタイルが生まれるかといえば、原料である麦芽、ホップ、水、酵母、さらに副原料の組み合わせによります。

日本人にこれほど愛されているお酒であるにもかかわらず、限られたスタイルの中で好き嫌いを言っているだけなんて、本当に勿体ないことだと思います。世界中には、色、香り、味わい、アルコール度数など、銘柄だけで約1万種類ものビールが存在するといわれています。

 

 

ビールを大別すると、エールとラガー

日本ではよく黒ビールタイプという“タイプ”という言葉で表現しますが、世界的には“スタイル”というのが一般的です。このビールのスタイルを、大きく2つに分けるとするとエールとラガーということになります。

エールとラガーの違いは酵母の違いです。ラガー酵母から造られるビールがラガービール、エール酵母から造られるのがエールビールというわけです。

 

■ラガービール

一般的にはすっきりとした味わいに仕上がる。エールに比べ低温(15度C以下)で発酵するので、エステルという果物に似た香りの物質が少ない。ラガー酵母は発酵が終わると下に沈む性質があり、ラガービールのことを「下面発酵ビール」ともいう。「キリンラガービール」というビールがありますが、この製品に限らず日本で造られるビールの殆どはラガービールなのです。

■エールビール

一般的にフルーティーな香り。ラガーに比べ高温(18~24度C)で発酵するためエステルが多く含まれ、香りが強い。エール酵母は発酵が終わると上に浮く性質があり、エールビールのことを「上面発酵ビール」ともいう。エールはイギリス、ベルギーで主流とされています。なおこのエールビールは香りそのものを楽しむために、あまり冷やさないで飲むことが多い。