モルトウイスキーの造り方(2)糖化・麦汁を造る

麦芽を粉砕しお湯に浸け煮沸

乾燥された麦芽(モルト)は、ゴミなどの異物を取り除き粉砕されます。モルトミルという機械を使い、粉砕された麦芽をグリストといいます。

このときに、粒が大きいと麦芽に含まれている成分が抽出されにくく、小さすぎてもうまみが濾されてしまう。よって粉砕する麦芽の大きいものから大(ハスク)・中(グリッツ)・小(フラワー)の3種類に分けられ挽かれる。配合比率は2対7対1の割合です。ハスクは麦芽の殻成分を多く含み糖化槽(マッシュタン)の中で濾し器のような役割を果たします。

粉砕した麦芽とお湯を練ったもの(マッシュ)を糖化槽に入れ、温水を入れゆっくりと混ぜ合わせてゆきます。やがて麦芽はお湯に溶け、糖化酵素が働いてデンプン質を麦芽糖に変えてゆき、30分ほどで糖を含んだ甘い麦ジュース、麦汁(ウォート)が出来上がります。

糖化のときに温水は3回加えられ、3回とも水温や量が異なります。始めは約60~65℃(最も糖化が進むといわれる)、2回目は70~75℃、3回目は100℃に近いお湯が加えられます。1回目に加えた温水から採取される麦汁を一番麦汁、2回目が2番麦汁、3回目は3番麦汁といわれ、3回目は発酵に回されず、次回の糖化の際仕込み水として使われます。

このときに加えられる温水に使われるのは、それぞれの蒸溜所の仕込み水であり、水の性質によって麦汁の味わいは勿論のこと、ウイスキーの味そのものも変わってきます。蒸溜所の立地要件のなかに、いかに良質な水が豊富に得られるか、ということが重要なポイントととなります。このような仕込み水のことを“マザーウォーター”といい、一般的には仕込み水には、ミネラル分の少ない軟水の方が良いとされており、軽快でまろやかな味わいに仕上がるといわれています。

また水は、どのような地層を通って湧き出てきたかによっても独自の性質をもちます。ピート層を通ってきた水であれば、モルトに草やハーブ、ヘザーの三つの風味がもたされます。

出来上がった麦汁は濾過され、次に発酵へ回されます。麦汁の搾りかすはドラフと呼ばれ、タンパク質を始め多くの栄養分を含んでいます。多くは加工され家畜の飼料として利用されます。