モルトウイスキーの造り方(3)発酵・もろみをつくる

ウォッシュバックで発酵、アルコールを生成

こうしてつくられた麦汁は、20~23度に冷却され、ウォッシュバックと呼ばれる巨大な桶(=発酵槽)に移され、そこに酵母が加えられて発酵が行われます。麦汁を冷却するのは、それ以上の温度では酵母が死んでしまうからです。

酵母は空気中に存在する場合は、糖を炭酸ガスと水に分解します。しかし、酸素のない状態で増殖する場合は、糖を炭酸ガスとアルコールに分解するはたらきがあります。この作用を利用したのアルコール発酵というわけです。

水中にある酵母は通常1億個以上といわれ、2億個以上になると肉眼でもわかるようになります。発酵が始まると、まず液の表面が濁ってきます。酵母が糖やアミノ酸を食べ、順調にその数を増やしている証です。酵母は5~8倍までその数を増やしてゆきます。

ウォッシュバックに入れたときのもろみの温度は20~23℃まで冷却されていますが、発酵が始まると30~34℃にまで上昇します。香味成分もこのときに生まれます。そのあとは、見た目には変化はありませんが、発酵の後期には、酵母は死滅しアルコール発酵は終了、それと入れ替わるように発酵中期から発生した乳酸菌が増殖し始めます。乳酸菌は、酵母が分解し切れなかった糖や、酵母から流出したアミノ酸、脂肪分をを栄養源とし、乳酸菌ならではの香味を生み出し、より一層豊かな風味を与えてくれます。こうして炭酸ガスで泡立ちながら、ほぼ3日間にわたって発酵は続き、アルコール度数約7%のウォッシュ(もろみ)が出来上がります。

酵母はアルコール成分と同時に何百種類もの香味成分をも生成するために、酵母の選択も重要なポイントとなります。使われる酵母の種類もひとつだけでなく、複数の酵母を混ぜて使うなど、蒸溜所によって選択肢はさまざまです。また発酵時間によっても出来上がったウイスキーの味わいは変わり、短ければ酸味の少ないもろみとなり、重厚なウイスキーになるといわれ、逆に発酵時間が長ければ酸味のあるもろみができ、軽快なウイスキーになるといわれています。

 

発酵で生まれるもの

酵母が増え活発に活動するにしたがって、アルコール成分、炭酸ガス、エステルなどが発生じます。それとともにたくさんの香味成分も酵母によって生み出されてゆきます。さらに酵母が死滅することによってもさまざまな成分が放出され発酵の後半に発生する乳酸菌も香味成分を生み出します。微生物のこうしたはたらきによって香味が重なり合って、より複雑なフレーバーとなってゆきます。

ウイスキー酵母

酵母のうち、醸造発酵に使われるのはサッカロミセス属、セレビシエ属に含まれるものです。ウイスキーにはディスティラリー酵母(蒸留酒酵母)という酵母が主に用いられます。発酵段階で乳酸菌が増えすぎないよう他の酒類と比べて大量の酵母が投入されます。

 

木製の場合、利点としては保温性に優れ乳酸菌などの微生物が活発に繁殖し、独特の風味も与えてくれます。木製に染み込んだ成分が溶け出し、それが発酵もろみに移り、使い込むほどに深みが増してゆきます。弱点としては、雑菌が繁殖しやすく衛生面での管理に注意が必要となります。

一方のステンレス製は、大規模な蒸留所や近代的な蒸留所で用いられることが多い。木製と比べ温度管理や微生物管理が簡単にでき、外部からの影響を受けにくいため、安定した状態で発酵が行えます。そして清掃が容易なので衛生面でも安心といえます。反面、発酵に好ましくない振動が多少伝わりやすいという弱点も持っています。

 

 

 

発酵槽の材質

発酵によって生まれるもろみは、さまざまな要因が絡み合って香味や味わいに影響します。そのひとつにウォッシュバックの材質があります。現在はステンレス製のところが多くなっていますが、昔ながらの木製を使っている蒸留所も多く、使われる木材は北米産のカラ松やオレゴン松などが使われています。

木製の場合、利点としては保温性に優れ乳酸菌などの微生物が活発に繁殖し、独特の風味も与えてくれます。木製に染み込んだ成分が溶け出し、それが発酵もろみに移り、使い込むほどに深みが増してゆきます。弱点としては、雑菌が繁殖しやすく衛生面での管理に注意が必要となります。

一方のステンレス製は、大規模な蒸留所や近代的な蒸留所で用いられることが多い。木製と比べ温度管理や微生物管理が簡単にでき、外部からの影響を受けにくいため、安定した状態で発酵が行えます。そして清掃が容易なので衛生面でも安心といえます。反面、発酵に好ましくない振動が多少伝わりやすいという弱点も持っています。