モルトウイスキーの造り方(6)バッティング&ボトリング

モルト原酒を混ぜ合わせる

ウイスキーは熟成時、静かに呼吸を繰り返しゆっくりと芳醇な香りを持つようになります。しかし、同じ原酒であっても樽がどのような環境にあったかによって、ひと樽ごとに味わいが違ってきます。積み重ねられた上段と下段の気温差でも違ってきますし、貯蔵庫の入り口付近と奥に置かれたかによっても違ってきます。

そこで味を平均化させ、商品としてふさわしい品質にするため、熟成を終えたウイスキーはタンクに集められミックスされます。モルト原酒どうしをミックスすることをヴァッティングといい、モルト原酒とグレーンウイスキーをミックスすることをブレンディングといます。

ひとつの銘柄で20~50種類もの原酒を調合し、毎回同じ味にする必要があります。その作業をするのがウイスキー・ブレンダーで、長年の経験を要します。

混ぜ合わせられた原酒は、さらにそれを馴染ませるために再度樽に詰められ数ヶ月~1,2年間熟成させます。これを後熟(マリッジ)といいます。

後塾を終えると、いよいよ瓶詰め前の最終作業に入ります。モルトウイスキーは、0℃以下になると脂肪酸やエステルなどの成分が凝固し白濁の原因となります。それを取り除くため、ウイスキーを冷却しろ過します。

さらに熟成を終えたばかりのウイスキーはアルコール度数が高いため(平均50~55度)、加水して40~43度ぐらいに調整されます。このとき調整に使われる水は、酒質に影響を与えないため、不純物を取り除いた中性の蒸留水が使われる場合がほとんどです。さらにスコッチの場合は、水とともに色素としてカラメルを加えることが許されています。

シングルカスクとカスクストレングス

最近のシングルモルトブームから、ひとつの樽から取り出し、他の原酒とはブレンドせずに瓶詰めしたシングルカスクやカスクストレングスの人気が高くなっています。白濁した成分を除去する冷却ろ過やアルコール調整のための加水も行われない本当にそのままの原酒です。味わいは飲んでみなければわからず、樽から取り出しだ直後の原酒が楽しめます。

 

 

 

バーボンの力強さ

バーボンは香味豊かな力強いお酒ですが、これにはさまざまな要因が絡んでいます。一つは、バーボンの熟成には「内側を焦がしたオークの新樽に詰め(熟成させなければならない)」と、アメリカのアルコール法で定められています。新樽のため、エキス分が豊富で原酒に色素や香味成分をふんだんに与えてくれます。

二つ目の要因として、熟成が早いということがあげられます。バーボンの故郷ケンタッキー州は、夏の最高気温と冬の最低気温の差が50℃もあり蒸散する水分が多く、熟成が速く進みそのことが味わいに力強さを与えます。三つ目の要因は、バーボンは他の連続式蒸留のウイスキーより低い度数で蒸留するため、揮発する香味成分が少なく、凝縮された味わいになります。法律による規制は80度以下となっていますが、ほとんどが60~70度、他の国のグレーンウイスキーが90度を超えることと比較しても低いといえます。