ウイスキー用語集

ウイスキー選びの参考に、ウイスキーの用語を集めてみました。

アイリッシュウイスキー Irish Whiskey

アイルランド島(アイルランド共和国及び北アイルランド共和国)で造られる、穀物を原料とするウイスキー。世界5大ウイスキーのうち最も古い歴史をもつ。伝統的に単式蒸留器による3回蒸留を行い、モルトの乾燥にピートを用いないことが多くのアイリッシュウイスキー共通の特徴。乾燥には石炭、木材が使われ、キルトという炉の中で行われるためスコッチウイスキーより飲み口は軽い。3回蒸留は、原料にライ麦などの穀物を使うため穀物の香りが強く出るため、蒸留回数を増やして香りを飛ばすために行われた考えられている。生産性を高めるため、蒸留に使われる蒸留器(ポットスチル)は、大型のものが使われてきた。その昔アイルランドには、スコットランドよりも多く数百の蒸留所が存在していたが、二度の世界対戦、アイルランド独立戦争、さらにアメリカの禁酒法などにより多くが閉鎖に追い込まれた。現在は、4つの蒸留所(新ミドルトン蒸留所、ブッシュミルズ蒸留所、クーリー蒸留所、2007年に再操業したキルベガン蒸留所)のみが稼働している。

アクア・ヴィテ(命の水)

→「命の水」参照

命の水(アクア・ヴィテ) Aqua Vitae

世界各国の蒸留酒の語源で、ウイスキーという名称もラテン語のアクア・ヴィテ(aqua vitae「命の水」の意)に由来する。錬金術師たちが各地で蒸留酒を造った際にこれをアクア・ヴィテと呼び、それが現地語となり、アイルランドやスコットランドではウシュク・ベーハ-(ゲール語)からウイスキーに、ロシアではズィズネニャからウォッカに。北欧ではラテン語が残ってアクアヴィットとなり、フランスではオー・ド・ヴィ-(ブランデーのこと)となった。なおブランデーとは、オランダ語の ブランダウェイン(「焼いたワイン」の意:brandewijn)が、英語 のブランディワイン( brandy-wine)となり、いつしか wine が取れブランディ( brandy)となったといわれている(オランダの貿易商が英国にブランデーを売り込むため、仏語でなく英語表記にした)。このアクア・ヴィテは元々はぶどう酒を蒸留したもので、ブランデーのことである。

アメリカンウイスキー American Whiskey

アメリカで造られるウイスキー(バーボンウイスキー、ライウイスキー、コーンウイスキー、ブレンデットウイスキー、テネシーウイスキー)の総称。1948年制定の連邦アルコール法におけるアメリカンウイスキーの定義は、穀物を原料にアルコール度数95%未満で蒸留し、オーク樽で熟成させたもので、およびそれにスピリッツをブレンドし、アルコール度数40%以上でボトリングしたものとされている(ただし、コーンウイスキーは熟成不要)。バーボンはこれよりさらに細かい。アメリカンウイスキーは全体的に他の地域のウイスキーよりも軽い口当たりで、飲みやすいのが特徴。

ヴァッティング Vatting

2種類以上ののシングルモルト・ウイスキー(またはシングルグレーン・ウイスキー)同士を混ぜ合わせること。

ヴァテッドモルト Vatted malt

グレーンウイスキーは使わず、複数の蒸留所のモルトウイスキーだけを大桶に入れて混ぜ合わせた(ヴァッティング)ウイスキー。単一蒸留所のモルト原酒を混ぜ合わせたシングルモルトに比べ、やや個性に乏しい。スコッチウイスキー協会はヴァテッドモルトウイスキーではなく、ブレンデッドモルトの表記を推奨している。

ウイスキー Whisky&Whiskey

穀物、麦芽、水を原料として、糖化・発酵させたのち、蒸留機を使って蒸留し、木樽で熟成させた蒸留酒。蒸留することでアルコール度数が高くなり、製品としては40~60%まで落とされるが、醸造酒の5~10倍ほどのアルコール分となる。原料となる穀物は、大麦(二条大麦)やライ麦、トウモロコシなどがあるが、ウイスキーのアルコール成分の元となるのが麦芽(発芽した大麦=モルト)なので、アメリカのライモルトウイスキーなど一部のウイスキーを除き大麦が使われている。同じ蒸留酒のウオッカやジンは、樽で熟成させないため無色透明だが、木樽で熟成させることによってウイスキーは琥珀色となる。世界5大ウイスキーと呼ばれるのは、スコッチウイスキー、アイリッシュウイスキー、アメリカンウイスキー、カナディアンウイスキー、そしてジャパニーズウイスキーである。尚、ウイスキーには「Whisky」と「Whiskey」という2つの表記があるが、これはどっちが正しいといったことではない。ウイスキーの語源は、「命の水」を意味する「アクア・ヴィッテ」(ラテン語)をゲール語にした「ウシュク・ベーハ―」といわれる。ゲール語とは、スコットランドやアイルランドに暮らすケルト族の言語のひとつだが文字をもたなかったため、ウイスキーの表記も決まっていなかった。そのため、いつの頃からかスコットランドでは「Whisky」と綴られ、これに対抗したアイルランドでは「Whiskey」が用いられるようになった(例外もある)。日本ではスコッチを手本にウイスキー造りが始まったため「Whisky」という綴りを使用している。アメリカでは「Whiskey」の表記が多い。

ウイスキー博物館 Whisky Museum

南アルプス山麓、サントリー白州蒸留所内にある世界初のウイスキー博物館は、サントリーの創業80年を記念して建てられた。→サントリー白州蒸留所HP

ヴェリンチ Velinch

樽からウイスキーをサンプリングするときに使用する器具。ヴェリンチャーともいう。

ウォッシュ Wash

糖液ワート(ウォート)にイースト菌を加えて発酵させたもろみ。6~8%のアルコール度数がある。

ウォッシュスチル Wash Still

1回目の蒸留に使用するスチル。初留釜。もろみ(ウォッシュ)を蒸留することからウォッシュスチルという。

ウォッシュバック Wash Back

発酵槽。木製のものや鉄、ステンレス製のものなどがある。

ウォート(ワート) Wort

マッシュタンの中で粉砕麦芽グリストに熱湯を加えて抽出した糖液(麦汁)のこと。発酵に必要な原材料で、これを濾過してイースト菌を加えると発酵が始まる。

ウッディー Woody

ウイスキーの香りの表現ひとつで、樽材の香りに対してよく使われる。オーキーよりは、深い森林のイメージを指して使われることが多い。深い森の中に立ったときに感じる落ちついた香り。

エステリー Esuteri

香りを表現する用語のひとつ。熟成による甘く華やかな香りをいう。華やかないい香りが立ち昇れば、フレグラント(芳香性の)と表現され、リンゴや西洋梨のような果実香があれば、フル-ティ(果実香のあると)表現される。ちなみにエステルはウイスキー製造中に脂肪酸とアルコールが反応してできる化合物。

エンジェルズ・シェア Angel's Share

天使の分け前。熟成期間中に蒸発してしまうウイスキーのこと。最初の年に3~4%、それ以降は毎年1~2%ずつ蒸発して樽の中身が減ってしまう。一説によるとスコッチ全体でその量は1億6000万本分になるという。

オーキー Oakey

香りを表現する言葉のひとつ。熟成に使用した木樽から受ける木の香り。

オクタブ Octave

ウイスキーの熟成に使用される最小の樽。バッド樽(500ℓ)の8分の1、45~68ℓの容量しかない。

オーセンティックバー Authentic Bar

静かに会話とお酒を楽しむことができる伝統的なバー。スコッチを中心にウイスキーの種類が豊富だが、ブードメニューは少なめ。

オン・ザ・ロック  On the Rocks

グラスに注いだウイスキーに、氷を1~3個入れて軽くステアして飲む方法。できれば、ウイスキーの薄まりを遅くさせるため氷は大きなものを使いたい。角の少ないカチ割り氷で霜がついていないものが理想的。ウイスキーは、甘く余韻が長い骨格のしっかりしたものが合う。ウイスキーが冷え、ゆっくりと氷と溶け合うと、やわらかな口当たりになる。

カクテル Cocktail

ベースとなるお酒にほかの酒やジュース、ソーダなどを混ぜて作るアルコール飲料。アルコール度数0~1%といった、ノンアルコールのカクテルもある。混ぜ方は、シェイカ-に材料を入れ振る「シェイク」と、バースプーンを使い混ぜ合わせる「ステア」がある。

カスク Cask

樽。ウイスキーに芳醇な風味を与えるためにシェリー樽やバーボン樽を使用することもある。樽の素材は主にヨーロピアンオークとホワイトオークの2酒類で、固く、液体を通しにくい材質で長期貯蔵に向いている。サイズは4酒類で、パンチョン、バット、ホッグスヘッド、バレルがある。 スコッチウイスキーではバーボン樽やシェリー樽を使い、新樽はめったに使わない。アメリカンウイスキーでは、コーンウイスキー以外は新樽のみ使用し、バーボンでは内側に焦げ目がつけた樽を用いる。ジャパ-ニーズウイスキーは、新樽や古樽、バーボン樽、シェリー樽、さらにはミズナラ樽など多岐にわたって使われいる。

カスクストレングス Cask Strength

樽出しの後、加水せずに瓶詰めした原酒のこと。通常は水を加えて40度ぐらいにして瓶詰めするが、カスクストレングスのボトルは加水せずそのまま瓶詰めする。50度から60度くらいの強さがある。日本語では樽出原酒という。

カナディアンウイスキー Canadian Whiskey

カナダで造られるウイスキー。世界的にみて、ウイスキーの生産量が多い地域なので、日本では五大ウイスキーのひとつに数えられる。アメリカで禁酒法が施行された1920年以降に生産量が拡大した。一般的に、ライ麦を原料とした香りのフレーバーリングウイスキーと、トウモロコシを原料として造られた無個性なベースウイスキーをブレンドし、加水したものが製品としてなる。口当たりが軽く飲みやすいことから、カクテルのベースとして使われることもある。

カラーコード Colour Code

法律で定められたパイプの色分け。ウォッシュは赤、ローワインは青、スピリッツは黒、水は白とパイプの色が定められている。

キーモルト Key Malt

ブレンデッドウイスキーの中核をなしているモルト。ブレンドする際に中心となっているシングルモルトのこと。

キルン Kiln

発芽した麦芽を乾燥させる部屋。麦がこぼれ落ちないように、床はすのこ状になっている。煙の排出口がパゴダ状になっていて、このパゴダ屋根が蒸留所のシンボルとなっている。

禁酒法 Prohibition

アルコール飲料の製造・販売・運搬・輸出入を禁じる法律。古代より世界各国で発令されてきたが、直近では1920年に米国において施行された。しかし、米国の禁酒法は、飲用自体を禁止した法律ではなかったため、国内には何千軒ものバーは存在していたといわれる。そのため、アル・カポネをはじめとするギャングによる密造・密売が続出、ギャングは莫大な富を手にした。それに伴い犯罪も増加したため、1933年に廃止された。

クーパー Cooper

樽職人。樽だけでなくウォッシュバックなどの製造・修理も行う。作業所をクーパレッジ(cooper-age)という。

クエイク Quaich

両側に取っ手のついたスコットランド伝統の酒杯。古くは木製だったが、現在は銀やピューター製のものが一般的。

クォーター Quarter

熟成用の樽。バットの4分の1、127~159ℓの容量がある。

グリスト Grist

糖化(マッシング)のために粉砕された麦芽をいう。ハスク、グリッツ、フラワーの3つの部分からなりその混合比率は2:7:1に保たれる。グリストを蓄える容器をグリストホッパー(grist hopper)という。

グレーンウイスキー Grain Whisky

グレーンとは穀物のこと。麦芽の他、トウモロコシやライ麦、小麦などの穀類を主原料に連続式蒸留機で蒸留したウイスキー。モルトウイスキーに比べてマイルドで飲みやすいが個性に乏しい。そのままボトルリングされることはほとんどなく、大部分はブレンド用に回される。留出時のアルコール度数は94.5%までで、95%以上になるとグレーンスピリッツとされる。

琥珀色 Amber

ウイスキーの色であり、透明感のある黄褐色。蒸留直後のウイスキーは無色透明だが、木樽に貯蔵・熟成させることによって、樽材に使われるホワイトオークからさまざまな成分が溶け出し、琥珀色のウイスキーに変わる。

コフィースチル Coffey Still

1831年にイーニアス・コフィーが発明(改良)した連続式蒸留機。パテントスチル、コンティニアススチルともいう。

コンデンサー Condenser

気化したアルコールを再び液化させる冷却装置。室内垂直型、野外垂直型、野外水平型などの種類がある。

再留

単式蒸留器でのウイスキー造りは、蒸留を2回行うのが一般的だが、その2回目の蒸留のこと。

サワーマッシュ Sour Mash

1回目の蒸留の残液を2回目の発酵槽に加えることで、均質な発酵を促す方法。バーボンを造るときに用いられる。

直火蒸留

蒸留釜を直接炎で加熱する伝統的な蒸留方法。現在はスチームパイプなどを配して間接的に加熱する方法がほとんど。

シェリーカスク Sherry Cask

シェリー酒の熟成に一度使われた樽でスパニッシュ・オーク(学名:クエルカス・ロブール)でできている。この樽で寝かせたウイスキーには濃厚な果実風味があり色も濃い。容量はほとんどが500ℓでシェリーバットとも呼ばれる。シェリー酒の種類によってオロロソシェリー樽、フィノシェリー樽、ペドロヒメネスシェリー樽などがある。

ジャパニーズウイスキー Japanese Whisky

日本産のウイスキー。1911(明治44)年、スコットランドでウイスキーの製造技術を習得した竹鶴政孝(ニッカウヰスキー創業者)と、寿屋(現サントリー)で本格的ウイスキー造りを目指していた鳥井信治郎の二人が出会うことによって、日本のウイスキー造りが始まった。よって、日本のウイスキーの歴史は100年に手が届いていないが、世界の五大ウイスキーにも数えられる。近年は、国際的なコンペティションでも、高い評価を得るウイスキーも誕生している。スコッチウイスキーを手本として始まったが、スモーキーさは控えめ。各メーカーが、タイプの違う複数の原酒を造り分けている。

熟成 Aging

ウイスキーなどの蒸留酒に限らず、日本酒などの醸造酒でも出来たばかりのものは、酒質が落ち着かず口当たりもトゲトゲしい印象を受ける。このままでは商品として出せないので、一定期間貯蔵(「寝かせる」とも言う)することで、まろやかなものに変える必要がある。これを熟成というが、酒類によって熟成方法も期間も異なり、ウイスキーの場合、蒸留を経た原液を木樽に詰めて熟成させることを特徴とする。この間に香りや風味が生まれ、樽の成分が溶け出して豊かな芳香と美しい琥珀色が生まれる。また、熟成庫の立地場所の気候や風土か、酒質に笑顔を与える。熟成は短くても3年。

蒸留 Distillation

発酵によりできたアルコール含有液を、蒸留機にかけ加熱しアルコールを抽出する作業。アルコールの沸点は約90℃で、沸点100℃の水より先に蒸気に変わるので、これを集めて冷却し液体化する。モルトウイスキーの場合、アルコール含有液(醪)を単式蒸留器(ポットスチル)に入れ2~3回に分けて蒸留を行い、アルコール度数を70度近くまで上げる。グレーンウイスキーの場合は、1回の蒸留に醪を続けて投入できる連続式蒸留機で行う。

ショット Shot

ウイスキー1杯分。ワンショットはワンフィンガーorシングルとも言う。日本ではその量を30mlとするバーが多いが、45mlのバーもある。また、各国によってもワンショットの量は違ったりする。

シール Shiel

フロアモルティングの際に使用する木製のシャベル。

シングルカスク Single Cask

たったひとつの樽から瓶詰めしたボトルでシングルバレルともいう。他の樽のモルトを混ぜていない。樽による風味の違いがよくわかる。

シングルモルト Single Malt

1か所の蒸留所で造られた原酒だけを使ったモルトウイスキーで、蒸留所の個性がはっきり表れる。この呼び名が世界的に定着したのは意外と新しく1980年代以降のこと。

スキットル skittle

主にウイスキーなどアルコール濃度の高い蒸留酒を入れる携帯用の、ズボンのポケットにも入れられる小型水筒のことで、フラスクボトル、ヒップフラスコなどともいう。通常は金属製。本来はスキットル型ヒップフラスコ(skittle hip flask)のことだが、日本では蒸留酒用小型水筒の総称になっている。

スコッチウイスキー Scotch Whiskey

スコッチ、またはスコッチウイスキー。イギリス北部のスコットランドで造られるウイスキーのこと。大麦麦芽を焚いたときに出るピート香が残っているのが特徴。付け加えると、スコットランドの蒸留所で水と発芽させた大麦、一部全粒の穀物も加えて蒸留し、700ℓ以下の容量のオーク樽で3年以上熟成、一切の添加をせず、アルコール度数が40度以上に調整されたウイスキーのこと。大麦麦芽のみを原料としたモルトウイスキーと、トウモロコシと大麦麦芽を5:1の割合で配合して原料にしたグレーンウイスキーがある。

スタンディング・バー Standing Bar

立ち飲み形式のバー。

スチルマン Stillman

蒸留作業を受け持つ職人。ウイスキー造りにおいて、仕上がりの味を左右する最重要の存在で、蒸留所の職人の中で最も経験と熟練を要する。

ステア Steer

バースプーンで、軽くかき混ぜること。

スティープ Steep

浸麦槽。麦芽をつくるために大麦を2日間くらい水に浸ける、その容器のこと。

ストレート Straight

ウイスキーなどの酒を、水や氷なども加えずそのまま飲むこと。

スパージ Sparge

発酵に必要な糖液を得るためにグリストに3~4回のお湯を加えるが、ワートとして抽出するのは初回と2回目のお湯だけで、3,4回目のお湯は糖分が少ないので次回のマッシングに回してしまう。これをスパージという。

ストレート Straigt

水割ったり氷を入れたりせず、ボトルから注いだままで飲む飲み方。

ストレートウイスキー Straight Whiskey

アメリカのウイスキーに関しては、内側を焦がしたホワイトオークの新樽で2年以上熟成させた、コーン・ウイスキー以外のウイスキーを指す。アイリッシュウイスキーに関して使われる場合は、単式蒸溜器で3回蒸溜した原酒だけで製品化したものを指す。

スピリッツスチル Spirits Still

2回目の蒸留に使用するスチル、再留釜。ローワインズスチルともいう。初留釜に比べるとサイズは小さい。

スピリッツセイフ Spirits Safe

2回目の蒸留後流れ出るアルコールの測定を行い、熟成に回すスピリッツをカットする装置。検度器。セイフ(金庫)と呼ばれているのは、すでにこの段階で課税の対象となっており、ガラスケースに大きな錠前が取り付けられているため。

スペントウォッシュ Spent Wash

1回目の蒸留後ウォッシュスチル内に残った廃液。ドラフとともに家畜の飼料に再利用される。ポットエイル、バーンエイルともいう。

スペントリース Spent Lees

2回目の蒸留後スピリッツスチル内に残った廃液。かつてはまったくの廃液であったが現在は肥料に加工される。

スマグラー Smuggler

密造者、あるいは密売人。密造のことをスマグリングといい、密造用の蒸留釜をイリシットスチル(illicit still)という。ムーンシャイン(moon-shine)も密造のこと。

スモーキー Smoky

モルトウイスキー特有の香りを表現する用語の一つ。精麦の際、ピート(泥炭)を焚いて乾燥させる。そのときに付着するピート独特の燻香。ピート香ともいう。

スランジバー Slainte Mhor

スコットランドで乾杯のときに用いる言葉。ゲール語でスランジは「健康」、バーは「大いなる」を意味する。英語ではチェアーズ、あるいはトースト、ウェールズ語ではヤキーダという。

製麦 Malting

麦から麦芽を作ること。モルトウイスキー造りに適しているのは、でんぷん質が多く、窒素成分が少ない二条大麦。大麦を水に浸した後、空気にさらして水分を抜く。この浸麦作業を繰り返した後、発芽を促すために床に広げ撹拌する(フロアモルティング)。発芽が進み過ぎると糖分が失われるため乾燥させて適度な状態で発芽を止める。スコッチウイスキーでは、乾燥の際にピート(泥炭)を焚いて独特な香りを付ける。

ダークグレイン Dark Grain

糖化後の搾りカス(ドラフ)とポットエイル(スペントウォッシュ)からつくられる家畜用の飼料。乾燥させてペレット状に加工する。

単式蒸留

ひとつの蒸留釜で1回ずつ蒸留する伝統的な蒸留形式。モルトウイスキーはこの方法で蒸留される。連続式蒸留に比べ雑味が残る。

単式蒸留器

ポットスチル参照。

ダンネージ Dunnage

伝統的な樽の積み方で、床に輪木という木製のレールを敷き、その上に樽を並べていく。2段から3段まで樽を積み重ねる。輪木積みのこと。

タンルーム Tunroom

蒸留所の建物の中で糖化と発酵を行う建物、あるいは作業所。両方一緒にタンルームと呼ぶことのほうが多いが、糖化の作業所を特別にマッシュハウスと呼ぶこともある。

チェイサー Chaser

チェイス(Chase)は追いかけるという意味(カー・チェイスのチェイスですね)。ストレート強い酒を飲んだあとに飲む飲料。水が一般的だが、ソーダやビールもある。

チャー Char ,Charing

蒸留用の樽の内側を焼いて焦がすこと。バーボンはチャーしたホワイトオークの新樽を使うと決められている。

チャコール・メローイング Charcoal Mellowing

蒸留後の原酒を、樽詰めの前にサトウカエデの木炭で濾過すること。テネシーウイスキーに特有の製造工程。

チャージャー Charger

蒸留に回すウォッシュやローワインを一時的に溜めておくタンクのこと。ここからポットスチルに充填する。ウォッシュ・チャージャー、ローワイン・チャージャーの2つがある。

チル・フィルタレーション Chill Filtration

チルド・フィルター、低温(冷却)濾過処理のこと。瓶詰めの前に0~4度くらいに冷却し、白濁の原因となる脂肪酸などを除去すること。モルトの風味の一部を取り除くことになるといって反対する者も多い。低温濾過処理を施さないものをノンチル、ノンチルドという。

ディスティラーズカンパニー(DCL)社 Distillers Company Limited

UD社(現UDV社)の前身。ギネスグループに買収(1986年)されるまで、スコットランド最大の蒸留所グループだった。

ディスティラリー・キャット Destillery Cat

原料の大麦を食い荒らすネズミや小鳥を退治するために蒸留所で買われているネコ。ウイスキーキャットともいう。法的な規制で現在は飼うのが難しくなっている。

テイスティング Tasting

日本酒でいうところの利き酒。テイスティンググラス(右写真)は利き酒用のグラスだが、ウイスキーをストレートで飲む際にも使われる。

テネシーウイスキー Tennessee Whiskey

アメリカのテネシー州特産のウイスキー。法律ではバーボンウイスキーの製造工程を満たし、樽で熟成する前にテネシー州産サトウカエデ(メープル)の木炭を使い濾過するという工程を経る。特有の香りとまろやかで軽やかな風味をもち飲みやすい。

糖化 Mashing

麦芽のデンプンを糖類に変化させる。砕いた麦芽と温水をまぜ、一定時間置くことにより、麦芽のデンプン質が糖分にかわる。濾過してウォート(糖液)と呼ばれる甘い麦のジュースを取り出す。

トップドレッシング Top Dressing

ブレンダー用語でウイスキーに深みと奥行きを与える最上のモルトをいう。マッカランやグレンファークラス、ロングモーンなどは昔からトップドレッシングであった。

トップノート Top Note

グラスに注いで嗅いだとき、最初に立ち上がってくる軽く華やかな芳香。もともとは硬水の分野で使われる用語。

ドラフ Draff

糖液を抽出した後の麦芽の搾りカス。高タンパクで栄養価が高いためそのまま家畜の飼料として利用されてきたが、最近ではダークグレインに加工されることが多い。

ニート Neat

水を加えず生のままで飲むこと。ストレートと同じ。

ニューポット New Pot

ポットスチルで蒸留されたばかりのニュースピリッツをこう呼ぶ。アルコール度67~70%くらいの無色透明のスピリッツ。

ノンチル Non-Chilled

低温濾過処理を施さないこと。チル・フィルタレーション参照。

ハイボール Highball

日本では一般的にウイスキーのソーダ割りのことをいう。英語にもハイボール)という言い方はあるが、さまざまなお酒をベースに、ソーダ水に限らず水、ジュースなどで割った飲み物を指す。注文する際には、どのお酒を何で割るかを伝える必要がある。英語なら「Whisky with soda」が、Best。

麦芽 Malt

発芽した麦のこと。ウイスキーで最も重要な原料。

発酵 Fermentation

糖化した麦汁に酵母を加えると、酵母が糖分を食べアルコールと二酸化炭素に分解しはじめる。この現象をアルコール発酵といい、最終的にはアルコール度数7~8%の発酵液(ウォッシュ)となる。

バーボンウイスキー Bourbon Whiskey

トウモロコシを主原料としたアメリカンウイスキー。ケンタッキー州バーボン郡近くで造られたため、そう呼ばれるようになった。原料穀物の51%がトウモロコシで、アルコール度数80%未満で蒸留し、内側を焦がしたホワイトオークの新樽で2年以上熟成させたもの。

バーボンカスク Bourbon Cask

アメリカン・ホワイトオーク(学名クエルカス・アルバ)でできたバーボン樽。バーボンウイスキーの熟成には内側を焦がした新樽で熟成させるので、樽は一度しか使えない。それらのバーボン樽は、現在、スコッチの9割が再利用している。180ℓのバレル樽が主流。

バット Butt

パンチョンと並んでスコッチで使用する最大の樽。500ℓ前後の容量がある。ほとんどはシェリー樽だが、再起はポート酒、マディラ酒の樽も使われるようになった。ポート酒の場合はパイプ(pipe)ともいう。

パテントスチル Patent Still

グレーンウイスキーの蒸留に使われる、連続して蒸留することができる装置(連続式蒸留機)。塔の中に数十段の棚を作り、1回の蒸留中に棚ごとで精留を繰り返す。アルコール濃度の高い液を連続的に留出できる。原型は1826年にスコットランドのロバート・スタインによって開発された丸形のもの。現在の原型になるのは、1831年にアイルランドのイーニアス・コフィーが特許(パテント)をとった2塔の蒸留機。そのためパテントスチルと呼ばれコフィ-スチルともいわれる。現在は数塔を並立で使用できるまで進化している。

ハート Heart

ミドルカット参照。

バレル Barrel

ウイスキー熟成用の樽で容量は180ℓ。ほとんどはバーボン樽。

パンチョン Punchen

スコッチで使用する最大の樽。バットに比べると胴が太くずんぐりとしている。容量はやや大きめで530ℓ前後。スコッチでは700ℓ以上の樽は使用してはいけないことになっている。

ヒップフラスコ Hip flask

ウイスキー用の水筒、特にズボンのポケットに入れられるよう、少し曲線になったものを「ヒップフラスコ」といい、スキットル、フラスクボトルともいう。通常は金属製。寒いスコットランドでは、釣りやゴルフなどの屋外スポーツをする際の必需品。

ピーティ Peaty

ピート(泥炭)に由来するスモーキーな香りのひとつ。ブレンダーの世界では、このスモーキーな香りをさらに「メディシナル」、「ハーシュ」「ピーティ」の3つに分類しているといわれます。「メディシナル」は、ピートに由来する薬品のような香り。「ハーシュ」は、”Harsh noise(耳障りな音)”と使われるほどなので、スモーキー感が強く、ざらついたいがらっぽいといった印象で、余りよくない香りの場合に使われます。そして「ピーティ」ですが、ピート由来の燻製を思わせるような心地よい香りといえます。

ヒートエクスチェンジャー Heat Exchanger

熱交換機。糖液ワートを冷却する装置で、ほかにワーツクーラーという呼び方もある。

ピート Peat

エリカ科の低木ヒ-ス(ヘザー)や草などが長年の間に堆積してできた泥炭で、スコットランド北部の湿地で採れる。スコッチの特徴である、独特の燻香はこのピートの燻煙によるもの。

ピュアモルト Pure Malt

ブレンデッドウイスキーに対してモルトしか使用していないことを強調する際に用いられる用語。ただしシングルモルトとは限らず、ヴァッテッドモルトの場合もある。

ピュリファイアー purifier

精留器。ポットスチルと冷却装置を結ぶラインアームの中間に取り付けられている小型の補助冷却装置。還流を増加させ純度の高いアルコールが得られる。

フィンガー Finger

ウイスキーの分量を表す。ワンショット(シングル)をタンブラーに注ぐと、横にした指一本分の深さになることからそう呼ばれる。指2本分はツーショット(ダブル)やツーフィンガーとなる。

フェインツ Feints

2回目の蒸留のとき、最後のほうで出てくる蒸留液。アルコール度数が低く、不快な香りがあるため熟成に回さず、次のローワインに混ぜ再び蒸留される。一滴のアルコールも無駄にしない。テール(しっぽ)ともいう。

フォアショッツ Foreshots

同じく2回目の蒸留のとき、最初に流れ出す蒸留液。こちらは逆にアルコール度数が高すぎ、さらにオイルなどの不純物が混入しているので次回のローワインに混ぜ、フェインツと一緒に再び蒸留する。ヘッド(頭)ともいう。

ブリュワー Brewer

糖化と発酵を受け持つ職人。ビールの醸造職人、業者もブリュワーという。

フル-ティ Fruity

香りを表現する用語のひとつ。リンゴや西洋梨のような果実香、果実香がある、とも表現される。

プルーフ Proof

厳密にはアルコール度数の「標準強度」という意味。100プルーフはアメリカで50度、イギリスでは57.1度を示す。

フルボディ Full Body

味や香りに厚みがあること。香味が豊かで芳醇なコクがあることをいう。

ブレーンカスク Plain Cask

一度スコッチを熟成させたセカンドフィル以降の樽を呼ぶ。バーボンやシェリーの影響が少なく、こちらを好む蒸留所もある。プレーンオークともいう。

ブレンダー Blender

ウイスキーのブレンドを担当するスペシャリスト。製品化の要を担う人で、ブレンダーの長をチーフブレンダー、最高責任者をマスターブレンダーと呼ぶ。ブレンデッド・スコッチウイスキーは、大麦麦芽を原料としたモルトウイスキーと、トウモロコシと大麦麦芽を配合したグレーンウイスキーをブレンドすることによって造られる。通常は30~40酒類のモルトウイスキーと、3~4酒類のグレーンウイスキーを65%:35%の比率でブレンドすることが目安となる。穏やかな味わいのグレーンウイスキーに、主張の強いモルトウイスキーを合わせることで、適度な力強さとやわらかさを兼ね備えた奥行きのある味わいが生まれる。

ブレンデッドウイスキー Blended Whisky

ブレンデッドウイスキーに対して、モルトウイスキーしか使用していないことを強調する際に用いられる。2ヶ所以上の蒸留所のモルトウイスキーを混合したヴァテッドモルトウイスキーと、単一蒸留所で造られるシングルモルトウイスキーがある。

フロアモルティング Floor Malting

伝統的な製麦法。大麦を石床に広げて発芽させることからこう呼ばれ、数時間おきにすき返して発芽を均一にうながす。通常7日から10日くらいの日数を要する。

ヘアー・オブ・ザ・ドッグ Hair of the Dog

迎え酒。犬にかまれたとき、傷口にその犬の毛をすりつけたという中世の民間療法からきている。蒸留所の職人たちはウォッシュ(発酵後のもろみ)が迎え酒のいちばん効くという。

ホグスヘッド Hogshead

容量250ℓ前後の樽。180ℓのバーボン樽を分解しホグスヘッドに組み直すのが一般的。スコッチの熟成には大きめの樽のほうが向いているというのがその理由。ホグスヘッドとは「豚の頭」の意味。樽が豚一頭分の重さだったからそう呼ばれるようになったとの説がある。

ポットエイル Pot Ale

初留釜で蒸留後に残った廃液。ドラフとともに家畜の飼料に加工される。スペントウォッシュ、バーントエイルともいう。

ポットスチル Pot Still

モルトウイスキー用の銅製単式蒸溜釜。モルトウイスキーは巨大な銅製のヤカンに似た2つのポットスチル、つまりウォッシュ・スチル(初溜釜)とスピリット・スチル(再溜釜)を使って2度、ときに3度(ローランド・モルトの場合)蒸溜される。なお、日本の酒税法では単式蒸留器を「単式蒸留機」と表記している。単式蒸留器には以下のランタン型、バルジ型。ストレート型の3つの形状がある。

ランタン型

➡ボディからネックにかけてあるふくらみによって滞留を起こしすっきりした味わいになる。

バルジ型

➡胴体にふくらみを持つ。アルコール以外の成分が少なく、スッキリとした味わいになる。外気をたっぷりと取り込むボディは、繊細な風味を生む。

ストレート型

➡ネックの部分がまっすぐなので、アルコール以外の成分が多く残り、重厚な風味に

ボトル Bottle

瓶。1850年、スコッチウイスキー「ホワイト・ラベル」の創始者ジョン・デュワーズがウイスキーを瓶詰めで発売したのが始まり。それまでは樽売りが基本だった。

ホワイトオーク White Oak

原酒を熟成するために、樽に貯蔵する際に使われる樽の素材。北米、フランスなどが主産地。固く液体を通しにくい材質なので、長期貯蔵が必要なウイスキーやブランデー、ワインの樽に最適の素材。

マーチャーント・ボトラー Merchant Bottler

蒸留所から樽でモルトウイスキーを仕入れ自社で瓶詰めして売る業者。独自の熟成庫を持っているところもある。ゴードン&マクファイル、ケイデンヘッド、シグナトリー、J.マッカーサー社などが知られる。インディペンデント・ボトラーの項参照。

マッシュタン Mash Tun

糖化層。粉砕した麦芽グリストに熱湯を加え糖液ワートを採りだす巨大な金属の容器で、ステンレス製、銅製、鋳鉄製などがある。仕込槽ともいう。この作業を受け持つ職人をブリュワー、建物をタンルーム、あるいはマッシュハウスという。

マリッジ Marriage

ブレンド(ヴァッティング)後再び樽に詰めて寝かせること。後熟ともいい、そのための倉庫はマリッジウエアハウスと呼ばれる。

水 Water

ウイスキー造りに適した水は、ミネラルがバランスよく含まれた地下水や湧水。

水割り With Water

ウイスキーを水で割ったもの。美味しい水割りのポイントはしっかり冷やすこと。グラスに氷をいっぱいに入れて冷やし、ウイスキーを注ぐ。ここで数回ステアして水とウイスキーを馴染ませたら氷を足して加水して、十数回ステアして仕上げる。この場合ウイスキーと水の割合は1対2。

ミドルカット Middle Cut

2回目の蒸留の際、フォアショッツとフェインツの中間部分をさす。この部分のみを熟成に回す。作業そのものをミドルカットするともいう。ハート(心臓)と同じ。カットの幅が狭い(時間が短い)ほど、上質でデリケートなウイスキーになるといわれる。

モスボール Mothballed

生産調整などの理由で操業をしばらく休止すること。あるいはそういう状態の蒸留所をさす。完全閉鎖とは異なり、いつでも操業再開は可能。サイレントも同義だが、サイレントシーズンというと普通は夏季休暇のことをいう。

モルティ Malty

トーストなどを連想させるような、穀類の香ばしい甘い香り。

モルト Malt

モルトウイスキーの原料となる大麦麦芽のこと。モルトウイスキーの略語として使われることもある。麦芽づくりを担当する職人をモルトマンという。

モルトウイスキー Malt Whisky

大麦麦芽を原料に単式蒸留器で蒸留したウイスキーのこと。スコッチの場合、熟成はオークの樽で3年以上が義務づけられている。単一の蒸留所でつくられたモルトウイスキーだけを瓶詰めしたのがシングルモルトである。

モルトスター Maltster

麦芽を専門に製造する工場、あるいはその業者。ドラム式モルティングなどで一度に大量の麦芽を生産することができる。

モルトミル Malt Mill

麦芽をグリストに挽く機械のこと。50年以上昔のものが使われていたりする。

ユナイデッド・ディスティラーズ(UD)社 United Distillers

現在のUDV社(United Distillers & Vintners:ユナイテッド・ ディスティラーズ&ヴィントナーズ)の前身で、かつてはスコットランドの半数近い蒸留所を所有していた。1998年にIDV社(Inver House Distillers:インヴァー・ハウス・ディスティラーズ)と合併してUDV社になった。

ヨード香

ピートの煙や海岸の影響を受けた、海藻のようで薬のような香り。ヨードチンキのような匂いといえば分かりやすいかも知れない。

ライウイスキー Rye Whiskey

ライ麦を主原料にして造るウイスキー。アメリカ初期のウイスキー。麦芽液の51%以上がライ麦で、残りはトウモロコシや麦芽が一般的。アルコール度数40~80%で蒸留し、内側を焦がしたホワイトオーク樽で2年以上熟成させる。

ラインアーム Lyne Arm

ポットスチルの上部(ネックの部分)と冷却装置とを結ぶパイプ。ライアーム、ライパイプともいう。気化したアルコールはこのパイプを通って冷却装置に運ばれる。通常は水平か下方に傾いているが、なかには15度くらい上方に傾いていたり、途中が曲がりくねっているタイプのものもある。

ラメジャー Rummager

直火炊きのポットスチルは内部が焦げつきやすい。そのためこのラメジャーと呼ばれる銅製の鎖が内部に取り付けられていて、蒸留作業中ゆっくりと回転する仕組みになっている。鍋の底が焦げつかないよう、しゃもじでかき回すのと同じ原理。

リフィルカスク Refill Cask

バーボン樽やシェリー樽の再々使用樽のこと。樽の寿命は60~70年といわれ、その間数回スコッチの熟成に用いることができる。ファーストフィル、セカンドフィル、サードフィルとその度に呼び方を変えて区別している。リフィルカスクは一般的にはセカンドフィル以降の樽のことをいう。ただし蒸留所によってその定義は曖昧である。

レシーバー Receiver

モルトウイスキーの製造過程で各段階の液体を一時的にためておくタンクのこと。ワート、ローワイン、フェインツ、スピリッツの4つのレシーバーがある。

連続式蒸留

単式蒸留器を連ねた形の連続式蒸留機で蒸留すること。単式蒸留よりクリアな酒になるが個性に乏しい。グレーンウイスキーに代表される蒸留法。

連続式蒸留機

パテントスチル参照。

ローモンドスチル Lomond Still

ハイラム・ウォーカー社が開発した特殊なスチルで、ネックの部分が円筒形をしていて、その中に3段の仕切り板があり、それぞれの仕切り板には無数の穴が開けられている。これは連続式蒸留機と似た仕組みで、さらに仕切り板そのものが回転してアルコール蒸気の流れをコントロールできたという。インヴァーリーブン、グレンバーギ、ミルトンダフなどに導入されていたが、現在は使用されていない。

ローワイン Low Wines

1回目の蒸留で得られた蒸留液。この段階ではまだアルコール度数は20~25度くらいしかない。これを2回目の蒸留に回す。

ローワインズスチル Low wines Still

再留釜。スピリッツスチルと同じ。ローワインを蒸留することからこう呼ばれている。

ワート(ウォート) Wort

マッシュタンの中で粉砕麦芽グリストに熱湯を加えて抽出した糖液(麦汁)のこと。発酵に必要な原材料で、これにイースト菌を加えると発酵が始まる。

ワーム Worm

蛇管。コイル状をした銅製のチューブで、先端に行くにしたがって細くなっている。冷水を張った巨大な桶の中に設置してあり、ワームの中のアルコール蒸気が冷却されて再び液化される。現在はコンデンサーが主流で、このワームを使った冷却装置はほとんど見られなくなった。

ワームタブ Worm Tub

ワーム管(アルコール蒸気)を冷却する巨大な桶、冷却槽。木製のものと金属製のものとがある。大きなスペースを必要とするため、コンデンサーに比べると効率は悪いが、時間をかけて液化させることで香り豊かなスピリッツになるという。