ワインのこと

ブドウを原料とした醸造酒

ワインを定義すると、「ブドウを原料とした醸造酒」となります。醸造酒とは、原料となる果実や穀物をアルコール発酵させることで造られる酒類のことで、日本酒やビールなどと同様に、原料そのものの味わいや香りがダイレクトに反映されます。

さらに、醸造酒の中でもワインの原料はブドウのみであり、醸造の過程が極めてシンプルであるということも大きな特徴です。

例えば同じ醸造酒の日本酒やビールでは、原料である米や大麦に含まれるデンプンを糖に分解するというプロセスを経たうえで、酵母によるアルコール発酵が行われます。そのためには仕込みのための水を必要とし、この仕込み水の良し悪しによっても味わいは変化します。

それに対してワインは、原料となるブドウの実そのものに発酵に必要な糖と水、さらに酵母までもが果皮に付着しています(現在では、培養酵母を使って発酵を行うのが主流となっています)。

簡単に言えば、清潔な器にブドウの実を潰して置いておくだけで、自然に発酵が起きてワインになってしまいます。まさに自然の恵みそのもの、といえるお酒なのです。歴史上最初に誕生したお酒がワインといわれるのはこのためです。

「Wine」の語源

「Wine」という単語自体は英語ですが、その語源はラテン語の「Vinumu(ヴィヌム):ブドウから造られた酒」に由来するのではないかといわれています。”Vinumu”は、ブドウの樹や、蔦を意味する「Vitis(ヴィティス)」が語源ともされている。その他にも、古代インドに伝えられる不死を約束する神酒「ヴェーナ」が語源ともいわれています。

 

 

酒類の分類

醸造酒

ワイン、日本酒、シードル、ビールなど。
酵母によるアルコール発酵により、直接生み出されるお酒。
アルコール度数は低め。

蒸留酒

ウイスキー、ブランデー(果実が原料)、ウォッカ、焼酎、ジン、ラムなど。
醸造酒を蒸留して造られる。
アルコール度数は高め。

リキュール類

ヴェルモット(醸造酒原料)、リキュール類(蒸留酒原料)など。
蒸留酒、醸造酒などに様々な薬草、果実、甘味料、香料などを加えたもの。

 

 

ワインの原料はブドウ

赤ワインは黒色系ブドウ、白ワインは緑色系ブドウから主につくられます(ただし白ワインは、果汁のみで発酵させるので、果皮の色素による影響が少ないため、黒ブドウから造られる場合もあります)。

造り方の違いについて簡単に説明しますと、黒ブドウを潰して皮や種ごと発酵させれば、皮の色素が溶け込み赤ワインになり、白ブドウを搾り、皮や種を入れないジュースを発酵させれば白ワインとなります。

一方、ロゼは赤ワインを造る途中で、早めに皮を取り除いて造られる方法(セニエ法)や、黒ブドウと白ブドウが混ざった状態で赤ワインと同じようにつくる方法(混醸法)とがあります。

ワイン好きや、いわゆる通といわれる人に赤を好むことが多いのは、基本的に赤ワインの方が長期熟成に向いていて、味や香りがより複雑になるという理由があります。

しかし、近年ヘビーからライトへと食に対する嗜好の変化に伴い、ブドウそのものの繊細な味わいが感じられる、白ワインの人気が再び上昇しています。

 

 

 

ワインの味わいはブドウで決まる

ワインは、ブドウの品質がそのまま反映され、出来不出来はブドウによって9割がた決まってしまいます。しかし、ブドウは大変デリケートな生鮮果実であり、鮮度の高いうちに、迅速に仕込むことが必要です。必然的にブドウ畑と醸造所との距離は近くなり、ワインがブドウの産地と密接につながっている理由もここにあります。ワインは地酒そのものなのです。

このようにワインの品質はブドウしだいで大きく変わり、例え造り手がどんなに優れていても、出来の悪いブドウを高品質なワインにすることは不可能なのです。ブドウは品種がもつ個性や、産地の自然条件の影響を大きく受けるため、ワインは「農産物」ともいわれています。

ワインの香り

ワインの香りはアロマとブーケに分けられます。アロマは原料のブドウの品種や発酵に由来します。ブーケは、熟成によって後からでてくる香りをいいます。アロマのうち、酵母の発酵によって生じるアロマ(第2アロマ)の成分は、清酒やビールと同じで、原料ブドウ品種に由来する特徴的な香り成分(第1アロマ)が重要な役割を果たします。 特に赤ワインは、ラズベリーやカシスといった色の濃いベリー系果物の香り、リンゴや桃など木になる果物の香り、またピーマンのような青臭い香りまで感じられる香りの宝庫といえます。同じ品種から造られるワインでも、ブドウの栽培環境を反映した個性としてワインにあらわれたりするので、ワインが奥深いといわれるのはそんなところにもよります。